2004-06-22 21:17:37

セイモア・ハーシュ記事「イスラエル、イラクでクルド人を軍事訓練 」:よみがえる「クリーンブレイク構想」の悪夢 [ NEWS ]

これは仰天記事ですね。あのアブグレイブを暴露したセイモア・ハーシュがこんどはこんな記事を『ニューヨーカー』で。イランの原発をモニターとも。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040622-00000522-reu-int
イスラエル、イラクでクルド人を軍事訓練=米誌
>[ニューヨーク 21日 ロイター] 米誌ニューヨーカーは21日、イスラエルがイラク北部のクルド人居住地域でクルド人を軍事訓練し、イラクやイラン、シリアの情報源としていると報じた。
同誌は米中央情報局(CIA)当局者の発言として、米情報関係者の間では、クルド人居住地域でのイスラエルの存在は広く知られていると伝えた。記事は先にイラクのアブグレイブ刑務所でのイラク人虐待を暴露したセイモア・ハーシュ記者が書いた。
一方、同誌は、在ワシントンのイスラエル大使館報道官が「記事は事実無根」と語ったとしている。
同誌は、米国、中東、欧州の現役または元情報関係者の発言として、イスラエルの主要目的は、クルド人の軍事力を拡大し、シーア派民兵との均衡を図ることだと伝えた。(ロイター)

http://www.kurdishmedia.com/news.asp?id=5132
Israeli agents working in Iraqユs Kurdistan, Iran: report
>Israel's embassy in Washington denied the claim, but the magazine said a senior official at the Central Intelligence Agency confirmed that Israelis are working in Iraq.
>Israel's government decided six months ago that the United States would not succeed in bringing stability and democracy to Iraq, and believes it needs agents in the country, The New Yorker said.
>Israeli agents and Kurdish commandos have already crossed Iraqユs border into Iran, where they have set up sensors and other devices to monitor Iranian nuclear facilities.
>A former CIA officer also told the magazine that Iraqi prime minister Iyad Allawi had worked as an agent for Saddam Husseinユs Baath Party in the 1960s and 1970s, and has links to the killings of Iraqi dissidents across Europe.


ハーシュの記事がニューヨーカーのサイトにアップされました。
http://www.newyorker.com/fact/content/?040628fa_fact

PLAN B
by SEYMOUR M. HERSH
As June 30th approaches, Israel looks to the Kurds.
Issue of 2004-06-28
Posted 2004-06-21



事実かどうかまだわかりませんが,この報道にはクルドも,またトルコも警戒せざるを得ないでしょう。アメリカのネオコンは,98年ごろ,「クリーンブレイク構想」と称するイスラエル主体の中東再編成構想を発表していたことがありました。その構想では「大トルキスタン主義」のトルコが尖兵の役割を果たすということになっていました。

http://www.cooperativeresearch.org/archive/1990s/instituteforadvancedstrategicandpoliticalstudies.htm
A Clean Break: A New Strategy for Securing the Realm

http://www5d.biglobe.ne.jp/~uedam/zizi0212.htm
時事評論
アメリカの「クリーン・ブレーク」戦略(ブッシュ政権はなぜイラクを攻撃するのか) 2002.12
http://www5d.biglobe.ne.jp/~uedam/ame031.htm
「クリーン・ブレーク」(下) 2003.1

さすがにこのようなプランは,まあないと思うんですけどね。しかし先のシーアイランドサミットでは「大中東構想」というじつにまぎらわしい名前の構想がアメリカによって語られました。さらにこのサミットにはトルコも中東代表として参加しています。そして最近クルドのリーダーズがアンカラと接触を密にしていました。
今のトルコの政権は大トルキスタン主義ではなく,「小トルコ主義」です。クルド人たちにしたって,こんな大戦争の尖兵にされるのはたまったもんじゃない。ただ,こんな報道がでると,このプランがまた復活してるんじゃないかなんて中東世界で噂されることになりかねない。

実は昨年10月,このクリーンブレイクを構想した人物の一人である,デビット・ウームザーがチェイニーの配下に置かれたことで,「アメリカで復活するクリーンブレイク構想」という憶測記事が飛びかったことがありました。11月にはアルジャジーラのサイトに転載されています。

Cheney Behind New Mideast War Drive: Return of 'Clean Break' by Jeffrey Steinberg


この記事が載ってから確か急にテロが増えたんじゃなかったかと思います。
今回の記事は,またこの手のうわさを中東で再燃させることになりかねず,反クルドテロも誘発しそうです。大変な記事ですねこれは。


Posted by postx at 2004-06-22 21:17:37 | コメント(0) | Trackback(0)

2004-06-22 21:12:09

新潮新書『中東 迷走の百年史』宮田律 [ よもやま ]

新刊です。新潮新書『中東 迷走の百年史』宮田律著が出ています。

http://www.shinchosha.co.jp/shinsho/shinkan/index_sokuhou0406.html
『中東 迷走の百年史』宮田律
内戦状態に突入したイラク、自爆テロと報復の連鎖が止まらないパレスチナ、いまだに「国家」の体を成さないアフガニスタン、ロシアに血みどろの戦いを挑むチェチェン――。「世界の火薬庫」と化した中東の「いま」を理解するには、少し立ち止まって、現代史の百年を振り返るのが近道だ。焦点となっている十二の国・地域を取り上げて、紛争の理由を原点から探る、中東入門書の決定版。


正直言って「決定版」というにはちょっと薄い内容です(^^;ただ,クルドについて章をたててあります。歴史的説明が中心です。クルドというより中東全般についてまんべんなく知るという感じの本。

Posted by postx at 2004-06-22 21:12:09 | コメント(0) | Trackback(0)